web雑誌ホラーシルキーの増刊で、怪奇・奇譚の過去の名作・傑作をセレクトしたweb雑誌・奇奇怪怪vol.4をお届けします。一重夕子「涙色の迷宮」は新人女優が霊が出るという噂の映画撮影現場で辛い扱いを受けた腹いせに幽霊のマネをして…というお話。山下友美「ハルシオン・デイズ」は、山下先生のコミック未発表作品の3作目。「眠り」「安息」にまつわるオムニバス的なお話で、今回は全米で人気のアンカーウーマンのアナウンサーが仕事以外の人生を選んでいたら…というお話です。かずはしとも「Return」は、記憶をもコピーできるまでにクローン技術が発達した近未来でその技術を使って生き返ることが出来た高校生の彼とその彼女の話。愛田真夕美「翡翠の森」は、強欲で乱暴な兄の悪行に苦しめられる弟のお話で、歴史ファンタジー系の哀しいお話です。大橋薫「プレゼント」は、彼氏の部屋に遊びに来た彼女が不思議なバッグを見つけるお話。不思議恐い読後感の傑作掌編です。白井幸子「なきつねさま」は、地方に越してきた少女が、狐の面を被っていない子供は殺されるという泣狐さまのお祭りに面を着けずに行って、狐の面を着けた不気味な少女に襲われるお話。永久保貴一「折花宮」は、丹沢山麓に実在する、戦国時代に敵に追われて自害したという悲劇の姫の霊に出会った中学生のお話です。恐怖だけではない不可思議、人の常識の及ばぬ「奇」と「怪」の中で繰り広げられる懸命に生きる人間模様、傑作の数々をお楽しみください。