web雑誌ホラーシルキーの増刊で、怪奇・奇譚の過去の名作・傑作をセレクトしたweb雑誌・奇奇怪怪vol.3をお届けします。愛田真夕美「やって来た少年」「空からの手紙」は、愛田先生の人気作、「ベイビーウォーズ」シリーズからのちょっと不思議でハートフルな2作をセレクトしました。ベイビーウォーズは育児ものですが、この2編は、SF&心霊設定のある異色作品で、1本1本単体の短編として読める作品です。那州雪絵「誰か−STRANGER−」は、かつて那州先生の代表作「ここはグリーン・ウッド」HC版に収録されていた那州先生の名作短編です。白井幸子「マインド・ハッカー」は、人の心を読めてしまうようになった主人公がその能力を知る転校生に巡り合って、というお話。永久保貴一「慰霊祭」は、北海道を舞台に、精霊をバディにした霊能者が、故郷のあるホテルの除霊に赴き、自らを巡る因縁を知る、という、読み応えのある中編です。山下友美「ハルシオン・デイズ」は、山下先生のコミック未発表作品2作目。「眠り」「安息」にまつわるオムニバス的なお話で、今回は悪事に手を染めた男が人生をやり直せたら、というお話です。かずはしとも「卵」は、「ネオ・エッグ」という栄養満点で美容効果絶大の夢のような卵が流行る、が・・・。というお話。一重夕子「スプリング・アフェア」は春の恋人たちのお話で、愛する彼の子を妊娠してしまった女の子が、その事を切り出せないまま卒業旅行に行って恐怖体験をする、というお話です。恐怖だけではない不可思議、人の常識の及ばぬ「奇」と「怪」の中で繰り広げられる人間模様、傑作の数々をお楽しみください。