脱出のためのタイムリミットが迫る中、アキラはアレックスを探していた。熱狂する観衆の前で闘技の「勝者」と讃えられた男をあえて殺すことはしないはず。アレックスはまだ生きている――その確信を胸に、アキラは島の中心部へと潜入していく。一方、足を痛めた葵を背負って懸命に走る啓太だったが、あと数歩で森に逃げ込めるというところで、ガモウが二人の前に立ちはだかる。「ヨメゴ」を返せと迫るガモウに、啓太は自分の覚悟を言葉にして返す。葵はお前なんかに渡さない――人が他者を求める感情の根源に横たわる暗く温かなものを愛と呼ぶのか――極限の状況で蠢き出す本能の働きを愛と錯覚する甘さこそが人たる所以なのか。信じる絆がそれぞれの形に編み込まれていく、トライバル・サバイバル・ストーリー!