「――すまないが…抑えられぬ……」故郷の村を守るため、生贄として大江山に住む鬼・酒呑童子に捧げられた凛。初めは恐ろしく思っていたけれど、本当は優しい顔を持つ彼に次第に惹かれていく――。近い将来、酒呑が大江山を離れると知った凛は、想いを断ち切るため強く抱かれることを望むが、彼を求めるあまり「すき」と口に出してしまう……。「なぜ恋を恐れる必要がある?」誰かを愛すことを恐れてきた酒呑が出した答えとは――? 人の心を殺し鬼となった美しき男は、ひとりの女を愛し、ドロドロに溶け合ってその熱に溺れていく――…。恋の糸が複雑に絡み合う、妖艶で絢爛な恋物語――ここに完結。