時は昭和初期、東京・銀座。日本初の女性探偵・美津子とその助手で吉田百貨店の御曹司である朔は、忙しい日々を過ごしていた。盲目の青年とその姉に、街中で出会った美津子と朔。二人は幼い頃に見た活動寫眞の結末が知りたいというが、手掛かりは二人の間で食い違う物語の記憶と、活動弁士の声だけで・・・。マチズモ、アウトリーチ、障がいを抱えた家族ときょうだい児――生きづらさを感じているすべての人へ贈る、昭和モダンミステリー。