時は昭和初期、東京・銀座。日本初の女性探偵・美津子とその助手で吉田百貨店の御曹司である朔は、忙しい日々を過ごしていた。ロンドンで列車事故に巻き込まれ、記憶喪失になった朔の兄・人哉が帰国した。心配する朔だが、人哉は何かを隠している様子。美津子と朔は調査を開始し、年配の女性が載ったポスターと電車の切符から、“エリーザ”という女性のもとへ向かおうとしていたのではないかと推理するが・・・・・・。血のつながらない家族、身分差の恋、HSP――生きづらさを感じているすべての人へ贈る、昭和モダンミステリー。