あのころのあたしたちが見つからないんだ。苛立ち、立ちすくみ、また探し求める――。コウちゃんの光は消えて「世界」も消えた。もう関係ないはずなのに、今もその「存在」を意識せずにいられない夏芽(なつめ)。そんな波立つ気持ちを見透かすように、親しげに残酷に、コウちゃんは夏芽を構いはじめて……。気高くあやうい10代がざわめく!