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著者:本田恵子
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紅美と暗(あん)の間に出来た赤ちゃんは、仮死状態で生まれたものの、無事だった。 小さな命を目の当たりにして逃げようとしていた暗は我が身を振り返る。 一方、白帆は青矢がアパートに来ることを心待ちにして、準備を進めるも 青矢は父親に呼び出され、来られなくなる。がっかりする白帆。作ったケーキ を携え、隣人のましろの部屋を訪れる。しかし、すでに客人がいた。それは ましろが1週間前に出会ったばかりの彼氏だという。遠慮して帰る白帆が会う ことはなかったが、その彼氏とは路考だった。部屋に帰った白帆は青矢が来ら れなくなったものの、新婚のようにわくわくしている自分に驚く。自分が強く なったと自信が持てるまで待ってもらっているが、意地を張る必要はないの ではと思う。青矢と支えあい、青矢のそばで強くなっていきたい。もしも、 今度プロポーズをされたら、イエスと返事をすることを心に誓うのだった。 しかし、プロポーズの言葉を青矢の口から聞くことは二度となかった―――。
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