王に踊りを奉納する女形の踊り子“花子”。数多くの中から王に選ばれた花子は“気に入り”と呼ばれ王宮に仕えることを許される。“気に入り”となり、盛りを過ぎることのない桜のようだとまで言われた花子・燕。王の妹・楽子とも昔は遊び仲間だったが、その関係性は少しずつ変化していた…。表題作「落日の桜」をはじめとして、時代も立場も異なる四人の“花子”たちの生き様を描いた著者初の連作短編。