常世より迷い出でた“稀人”が憑きし心ある器物“付喪神”―― 人ながら稀人を宿すことで“現人神”となり得る少女・ぼたんと、付喪神を常世に帰すことを生業とする青年・兵馬。ぼたんを現人神として覚醒させようと目論む唐傘の襲撃を乗り越え、絆を深める二人。だが、現人神の存在を巡る疑惑が束の間の平穏に影を差す――思い合い、計り合う。絆と恋の付喪ノ語り、信念と決意が交錯する第九巻。