18歳を迎える柳沼晴美は高校三年生。晴美の住む北海道の町は炭鉱閉山以来、火が消えたようにさびれ不況の風が吹いていた。貧乏な生活から抜けたいといつも思っていた晴美は、ある日、ドキュメンタリー番組で“銀座の女帝”の半生を観る。銀座ナンバーワンホステスの名は尾崎安奈。学歴もなく、貧乏のどん底から身ひとつでのし上がった彼女に強く魅かれた晴美は、早々に退学届を出して上京した。貧乏から抜けだすんだ。目標は“銀座の女帝”尾崎安奈。