人との交流が苦手な小松岡にとって、黙々と業務に向き合える宅配トドックの仕事は“自分に合った職業”だと感じていた。しかし、冬の小樽はそう甘くない。深く積もる雪に足を取られ、1軒あたり6分以内という配達ルールを守れず、ついにはクレームが発生してしまう。思い通りにいかない現実に、静かに打ちのめされる小松岡。けれどその先に、彼を少しずつ変えていく小さな出会いが待っていた――。