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弥々 やや/CHILL+
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── 夜歴1289年、歴史は「血」に刻まれた。 かつて世界を揺るがした「聖血戦争」 あらゆる闇の力を鎮め、 あるいは増幅させる伝説の「聖血」を宿した一人の少女が現れた。 現代を生きるヴァンパイア総主、リアム・ド・ルクレール。 彼は、かつての戦いでその少女を救えなかった後悔を胸に、 数百年の時を孤独に彷徨い続けていた。 日本屈指の財閥、鳳条(ほうじょう)家。 豪華絢爛な屋敷の片隅、光の差さない小部屋に、藍璃(アイリ)はいた。 シャンデリアの下、睦まじく食卓を囲む父、母、そして妹の皐蘭(サラ)。 そこには、最初から藍璃など存在しなかったかのような、 残酷なまでに完成された「幸福な家族」の絵図があった。 絶望の淵で仰ぎ見たあまりに美しい満月。 吸い込まれるように屋敷を抜け出した藍璃は「自らの運命」と再会する。 それは、悲劇の再来か、それとも救済のはじまりか。 孤独な令嬢と、心を閉ざしたヴァンパイアが織りなす、 切なくも幻想的な現代ファンタジー。 藍璃が保護される数ヶ月前。 吸血鬼の異端児・ドムスは「ハズレ」と切り捨てた死体の山を背に、 伝説の『聖血』を追い求めていた。 700年沈黙し、12年もの間、本部の玉座を空けている総主リアム。 ドムスは不敵な笑みを浮かべ、次なる標的に日本を指名する。 孤独な令嬢・藍璃を狙う不穏な計画が、静かに、しかし確実に動き始めていた。
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